Raspberry PiとRaspbian + MPD : ハイレゾ再生@Raspberry Pi
AV Watchにこんな記事がありました。
約4千円の手のひらコンピュータ「Raspberry Pi」でハイレゾ音楽再生に挑戦
記事を読んで感じたのは、「なんか明後日の方向を向いている」でした。
このブログでも言及しているように、VolumioのディスクイメージをダウンロードしてきてSDカードに焼けば、あとは他のPCのブラウザ上から設定して終わりです。
これをネットで調べられなかったのなら、相当ネット・リテラシーが低い人ですし、あるいは拘りがあってRaspbianを使っているのなら、MPDをインストールすれば良いだけです。もしかして、MPD(Music Player Daemon)を知らない?なんて事はないと思いますので、Raspbianではインストール出来ないと思ったのでしょうか。
RaspbianはDebianベースのディストリビューションですから、しかるべきリポジトリを指定すれば、MPDのパッケージがあるばすですので、インストールは可能なはずです。
で、やってみました。
まず、Raspbianのディスクイメージをここからダウンロード。DD for WinなりWin32DiskImagerなりで、SDカードにイメージを焼きます。
それから、SDカードをRaspberry Piに入れて電源につなぎます。
ローカルでもリモートでも構いませんから、Raspbianにログインします。まずは、アップデートを済ませましょう。
# sudo apt-get update
# sudo apt-get upgrade
それから、MPDをインストールです。
# sudo apt-get install mpd
これで、私の環境ではインストール出来ました。リポジトリの指定はデフォルトのままで何もしていないので、正直拍子抜けです。
これで、あとは設定だけです。このブログの過去記事やネットを検索して調べてください。
いじょ。頑張ってください。
# Volumioインストールする方が千倍くらい楽ですけどね。
HP Microserverとvortexbox
安さに釣られて、こんなものを買ってしまいました。
HPのサイトでは42000円からとなっていますが、Amazonでは15000円足らずでした。
なんとなく後悔しつつ到着した箱を開けて中身をみたら、きちんとサーバの作りをしていました。サーバで気になる動作音も、CPUはファンレスですし、ケース全体の冷却も12cmファンをゆるゆると回していますから、気になりません。
こうなると、何かに使いたくなります。vortexboxをいじってみたいと思っていたので、丁度いいとばかりに余っていたDVDドライブをセットしてインストールしてみました。基板上にUSBスロットがあるので、そこにUSBメモリを刺してこれにvortexboxをインストールです。
vortexboxはRHEL系linuxに自動リッピング機能やSambaサーバ、LMSとsqueeze liteなどを追加し、リッピングから再生まで1台でこなせるようにしたOSです。今回は、vortexbox v.2.3をインストール、これにmpdを追加インストールしました。オフィシャルサイトはこちら
全体にインストールは順調に進みましたが、mpdの設定で少しハマりました。/etc/mpd.confのportをコメントアウトすることでやっと動くようになりましたが、これだけの事で数時間悩みました。まあ、linuxをいじっているとありがちな事ではありますが。
その結果、リッピングから再生(USB出力)まで一体のマシンが出来上がりましたが、別にWindowsでもできる事です。何がいいのでしょうか?
個人的には、OSが非常に軽くCPU負荷が小さいことが利点にあげられると思います。リッピング時はCPUは忙しく働きますが、それ以外は再生時でも0.5%とかその程度です。
とは言えすごい事かな、と言われればちょっと言葉に詰まりますので、リッピングしたデータを自動でSambaサーバに置いて、それに外からアクセスできるのが、vortexboxの活きる道かなと感じています。となると、そろそろ安くなってきている4TB HDDを4台でraid 5にしてみようかと。実質12TBならばしばらくは十分でしょう。
HP ProLiant MicroServer データー保存に 500GB マイクロサーバー N54L PROLIANT-500
- 出版社/メーカー: ヒューレット・パッカード
- メディア: Personal Computers
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MPDの最大バッファーサイズ
WindowsとLinuxの比較で色々といじっているうちに、どのくらいbufferは大きくなるのだろうか、とやってみました。
思ったよりも大きく、128MB未満でした。audio_buffer_sizeはkB単位だから、128MB=131072kB未満であればよいとなります。つまり、設定できる最大値は「131071」
ここまでやったら、効果がよくわかります。実に静かになりました。
現在のbufferの設定は以下の通り。
audio_buffer_size 131071
buffer_before_play 100%
果たして、Raspberry Piみたいに512MBしかメインメモリがない場合に、ここまで取れるかはわからないけれど、結構無茶ができるものだと感心しました。
WindowsとLinuxの比較
同一条件下での比較はやった事がないなぁ、と思ったので、先週遅い夏休みが取れたのでやってみました。
用意するのは、普通のPC(使用したPCのスペックは、Corei5 4690S, ASRock H81M-ITX, 8GBメモリ、picoPSU電源)と、1TB HDDです。
HDDは160GB, 160GB, 残り(600GB余り)にパーティションし、それぞれにWindowsとLinuxをインストールします。今回、WindowsはWIndows7 pro 64bit、LinuxはUbuntu Studio 64bitをインストールしました。どちらも最近使い慣れているからという理由です。
残りの領域は、NTFSでフォーマットしてどちらからも読めるようにします。Ubuntuには、NTFS configuration toolをインストールして、NTFS領域を読めるようにします。Windowsは、ここをD driveとしてデフォルトのデータ領域とします。また、Ubuntuでは、mpdのリンクを張るときに直接この領域を指定します。
これで、共通のデータ領域の同じデータにアクセスし、同じハードで動く環境ができあがりました。
Ubuntu Studioはmpd、Windowsはfoobar2000(WASAPI接続)、これもよく使われているからという理由からです。USBを使った場合、Windowsではドライバーが必要になったりしますので、ここはマザーボードについていた光デジタル出力(S/PDIF)を使いました。
これで、同一ハードの同一HDDから同一データに出力して比較できる環境ができました。残念ながら、ディアルブート環境でOSの立ち上げ直しには再起動が必要なので、A/B切り替え比較はできないことですが、同じHDDに収められた同じデータでの比較が可能になりました。
で、結果はUbuntu + mpdがきめ細かく音で広い音場が広がるのに対して、Windowsでは聴きやすくなる反面、音が鈍る感じでした。
この辺り、再生ソフトの選択でも色々変わるでしょうから、このHDDはこのままにしておいて、今後も色々と試してみようと思っています。
LIVA初代機が安い
先日、ドスパラ(実店舗)に行ったところ、新型のLIVAと並んで初代のLIVAが安く並んでいました。
で、ネットでも売っていないかと思って探したらありました。
ECS LIVA-C0-2G-32G-B |ドスパラ通販【公式】
Windows8を入れて何かやろうとするならば、eMMCが64GBとなった新型LIVAの方がお勧めでしょうが、Ubuntu-Studioにmpdを載せて運用する分には、32GBでも何の問題もありませんし、こちらで私は検証しているのでこちらの方がお勧めです。
Linuxでのミュージックサーバーの運用に興味のある方は、この機会にぜひどうぞ。駄目でも、Windows8を入れてネット端末くらいにはなりますので。
お勧め箱物CD その2
前回から数か月が経ちましたが、それからもいくつか注目すべき箱物CDがでました。
今回はそれを紹介していきたいと思います。
・Living Stereo Collection vol.2
前回紹介した60枚セットに続いて、vol.2が出たLiving Stereoセットです。
前回は、SACDになっちものをまとめたので、全てDSDマスタリングされていましたが、今回はそれに漏れたものなので、「最新リマスター使用」となっています。
とは言え、演奏と録音は折り紙付き。この値段ならば、文句なくお勧めです。
Living Stereo Collection Vol.2 [60CD Boxset]
- アーティスト: Various Artists
- 出版社/メーカー: Living Stereo
- 発売日: 2014/04/17
- メディア: CD
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・オワゾリール・エディション バロック期
50枚組。ピリオド演奏の録音では定評あるオワゾリールの録音がまとめられました。
発売日は来月なので、聴いていないのですが、外れはないだろうとバロック期の音楽が好きな方にお勧め。
L'Oiseau-Lyre: The Baroque Era
- アーティスト: Various Artists
- 出版社/メーカー: Decca
- 発売日: 2014/06/17
- メディア: CD
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誠実で衒いのない音楽をやる指揮者でした。良い音楽をやっています。
Sir Colin Davis - The RCA Legacy
- アーティスト: Sir Colin Davis
- 出版社/メーカー: Sony Classical
- 発売日: 2014/02/25
- メディア: CD
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・ブラームス・コンプリート・エディション
1980年ごろに出たブラームス全集のCDボックス版です。長らく品切れでしたが、最近再生産されました。
解説等は省略されていますが、ブラームスの全てが1万円ちょっとで買える価格は魅力です。演奏は、当時のグラモフォンの全力の全集ですので、レベルの高いものばかりです。
- アーティスト: ブラームス,ヘルベルト・フォン・カラヤン,クラウディオ・アバド,カール・ベーム,カルロ・マリア・ジュリーニ,ジュゼッペ・シノーポリ,ダニエル・バレンボイム,マウリツィオ・ポリーニ,ヴィルヘルム・ケンプ,アンネ=ゾフィー・ムター
- 出版社/メーカー: Deutsche Grammophon
- 発売日: 2009/06/01
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 10回
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・アバド・シンフォニー・エディション
先日物故した指揮者と言うことで、アバドの交響曲集もあげておきます。
ベートーヴェン・シューベルト・メンデルスゾーン・ブラームス・マーラーの交響曲全集、モーツァルト・ハイドン・ブルックナーの交響曲集が入っています。
演奏は、いつでも安心のアバド印、奇を狙ったところのないものです。
Claudio Abbado: The Symphony Edition
- アーティスト: Claudio Abbado
- 出版社/メーカー: Deutsche Grammophon
- 発売日: 2013/05/30
- メディア: CD
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・ベルリンフィル&ドイツ・グラモフォン 100周年ボックス
ベルリンフィルは昨年、録音開始から100周年を迎えました。それを記念して、過去から現在までのベルリンフィルの録音から、ベスト盤を選んで編纂されたボックスです。
1913年のニキシュのベートーヴェン「運命」から、ドゥダメルまで名演奏と呼ばれるものばかりです。買って損はないボックスセットです。
Centenary Edition-100 Years of Great Recordings
- アーティスト: Berliner Philharmoniker
- 出版社/メーカー: Deutsche Grammophon
- 発売日: 2013/10/03
- メディア: CD
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LIVAにUbuntu Studio + MPD 詳細
用意するもの - LIVA, ACアダプター駆動のUSBDVDドライブ, モニター(HDMIの場合1920x1080画素(フルHD)以外では初期画面とバイオス画面が乱れるようです。D-sub 15pinの場合未確認), USBキーボード(なるべくシンプルなもの。マルチメディアキーなどがあると認識しないとの報告もあります), 有線LAN(LIVAの無線LANは今のところUbuntuでは使えないようです), 75Ω抵抗3本, Ubuntu Studio 14.04 (64bit)(このサイトからダウンロードし、DVD-Rに焼きます)
LIVAには、モニターとキーボード、それからLANケーブルを接続します。
・バイオスの設定
まず、バイオスの設定から。起動画面が出ているときにF7を押し続けていると、バイオス設定画面に変わります。ここから、ブートを選んで、ブート順位を設定します。今回はUSBドライブからインストールするのでそれを最上位に、次にHDDとします。これを保存して再起動。
・Ubuntu Studioのインストール
Ubuntu Studioの設定画面が出てくると思います。ここで、新規インストールを選択。MPDを使うだけですから、言語はデフォルトの英語で、ただし、キーボードは日本語を選択しないと記号などを入力するときに混乱しますから、日本語としておきます。
更に、インストールオプションの選択となりますが、ここはほとんどがMPDを使うだけならば必要ないものです。大項目の全てのチェックを外し、ubuntustudio-audioの項目を開いて、alsa関連のものだけにチェックを入れます。後は、地域の設定、ユーザの設定等でインストール前の設定は終了。インストールを開始します。
何もなければ、インストールは無事終了しますので、USBドライブを外して、UBS DACやDCCを接続してLIVAを再起動します。Ubuntu Studioのデスクトップが出てくるはずです。
・IPアドレスの固定
ここで、IPアドレスをDHCPから固定にしておきます。デスクトップの上部の上下の矢印のアイコンをクリックして、editを選びます。タブでIPv4設定を開きます。方式は「manual」として、addressのaddをクリックし、LIVAに設定したいIP address(192.168.x.y)、netmask(255.255.255.0)、gateway(192.168.x.1) DNS servers(192.168.x.1)を設定し、saveします。正しく設定されていれば、再起動した際に、指定したIPアドレスになっています。Informationで現在の接続状況を知ることができます。
・MPD, SSH, cifs-utilsのインストール
次に左上のUbuntu Studioのマークをクリックして、terminal Emulatorを起動します。
ubuntuでは、rootのバスワートが設定されていませんので、その設定をします。
# sudo passwd root
で、インストール時に設定したパスワードを聞かれますので、これを入力します。続けて、rootに設定したいパスワードを設定します。
色々とインストールしたりする際に一々sudoをタイプするのは面倒なのでrootユーザになっておくと面倒が少なくなりますが、rootユーザ権限があるとなんでもできて、初心者にはかえって危険もありますので、ここではrootユーザになると少し面倒が少なくなるよね、とだけ書いておきます。どうすれば良いかは検索してみてください。それもできない人は、sudoと最初にタイプするのが安全です。ここでも、sudoと入れておきます。
やっと、MPDのインストールです。その前にお約束のupdateをやっておきます。
# sudo apt-get update
# sudo apt-get upgrade
それから、MPDをインストールします。
# sudo apt-get install mpd
Ubuntu Studioには、SSHがありませんので、これもインストールしておきます。
# sudo apt-get install openssh-server
更に、SAMBAなどcifsのファイルサーバを使う場合には、cifsutilsもインストールします。
# sudo apt-get install cifs-utils
・MPDの設定
- alsaデバイスの確認。これでUSB DAC(DCC)が何番になっているか確認します。
# aplay -l
- mpd.confの設定
# sudo vi /etc/mpd.conf
viの操作については、こちらの記事を参照。
--# をつけてコメントアウトするところ。
# bind_address "localhost"
--#を外すところ
port=6600
audio_buffer_size = "2048" : 数字は各自調整
buffer_before_play = "10%" : 数字は各自調整
--alsaの設定。
# ALSA output
#
audio output {
type "alsa"
name "My ALSA Device"
device "hw 0,0" または "hw 1,0" (device番号はaplay -lで得られた値に合わせる)
# mixer_device "hardware" #optional
# mixer_index "0" #optional
:wqで保存して終了。
・NASのマウント
- fstabへの追記
# sudo vi /etc/fstab で以下の一行を最後に追加。
//192.168.x.y/zzzz /music cifs username=aaaa,password=bbbb,uid=root,iocharset=utf8 0 0
--------------------------------------
/zzzz : NASの共有フォルダ
username=aaaa : NASのユーザネーム
password : NASのパスワード
---------------------------------------
# sudo mkdir /music
# mount -a
- mount ポイントにリンクする
# ln -s /music /var/lib/mpd/music
再起動後、NASが見えるはず。見えない場合は、fatabにsec=ntlmと書き加えてみてください。
・MPD, SSHの起動設定をする。
# sudo sysv-rc-conf mpd on
#sudo sysv-rc-conf ssh on
以上で、LIVA側設定は終了。
設定が終わったら、D-subの映像出力端子をダミー抵抗(75Ω)で終端させれば、ディスプレイをつなぐ必要はなくなります。ダミー抵抗の入れ方はこちら。
MPDクライアントをタブレット等にインストールするにはこちらを参考に。
それでは、ご健闘をお祈りします。
ECS 小型ベアボーンPC LIVA MINI PC KIT 64GBモデル LIVA-C0-2G-64G-W
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