とのじの迷宮

オーディオ・音楽、その他趣味について呟いていきます。

低ノイズと高スペック

Raspberry Pi3はVolumio2で鳴らしていましたが、Volumio2にはx86版もあります。つまり、普通のPCで動くということで、試してみました。

PCは、Asrock AM1H-ITX + Athlon5350 + 4GBメモリです。これは、19VのACアダプタで動作するという変わり種のマザーボードでその上、S/PDIF光出力までついているので、Volumioで動作させるにはもってこいです。HDDやSSDは意外と電源を汚すので取り付けず、USBメモリからの起動をしました。

対するRaspberry Pi3はI2S接続のDDC Hifiberry Digi+を接続し、S/PDIF同軸出力でデジタル信号を出力しました。

結果は、PCの勝ち。余裕がありスケール感のある音で再生されました。特に、ハイレゾ再生のような負荷の大きくなりやすい再生では差がでました。

さて、ここでこの音の違いはどうして出るのだろうと考えてしまいました。低ノイズこそ正義とばかりに、これまでRaspberry Piでのネットワークオーディオをやってきましたが、どうもそればかりではないようです。今回使ったPCは現在あるPCの中では低スペックですが、それでもRaspberry Pi3よりは高性能です。ここは、高性能による余裕が効いたようです。

果たして、正解は低ノイズなのか高スペックなのか、あるいは実はその中間にこそ正解があるのか、わからなくなりました。一度、高性能PCで試してみたいのですが、これだけのためにコストのかかる高性能PCを組むわけにもいきません。さて、どうしようと考え込んでいる今日この頃です。

金属製エンクロージャは本当に良いものなのか?

木の響きの乗るスピーカーは楽器を含めた長年の感覚で受け入れられ続けるだろうけれど、アルミの金属臭のするスピーカーはどこかで反動が起こって拒否されるようになるのではないかな、と思っています。アルミの板を斜めに立てかけて、手の甲で軽く叩いてみると、綺麗にキーンと鳴り響きます。木の音がコツコツとしか鳴らないのと対照的です。アルミは木よりも重い分鳴り辛いかもしれませんが、鳴りを抑えるのは木よりも苦労しそうです。そうした素材をスピーカー・エンクロージャに使って盛んに「鳴かないエンクロージャ」を喧伝しているのが、今のオーディオ・ジャーナリズムです。しかし、アルミ製ハイエンド・スピーカーはやっぱり鳴るのです。その鳴り方が今までの木のエンクロージャと異なるので、多くの人は認識できていないだけでしょう。カーンと響くの素材なので、ある種透明感が増したように感じますが、所詮は鳴りにすぎません。そう意識されるようになったら、多分アルミエンクロージャは見向きもされなくなるのでないかと感じています。

あるいは、簡単にこう自問してみます。家を揺るがすことさえある低音を高々20mm程度のアルミ板で抑え込むことができると本気で思っているのかしら、とも。

まあ、エンクロージャに金かけないと、1000万円超のプライスタグは下げられないとの理由もあるのでしょうけれど。

5万円でできる裏道バジェット・ハイファイ

オーディオはお金のかかる趣味だとよく言われます。

私はそれを否定する気はありませんし、自身も人には言いたくないくらいの額はつぎ込んでしまっています。

とは言え、それはオーディオの一側面に過ぎません。いかに安く良い音で鳴らすか、というのも一つの考え方です。もっとも、安く上げる方法はお金つぎ込んだ挙句にわかるというものなのですが。

そこで、今回はいかに安くそこそこ満足できる音で音楽を聴けるシステムを作れるか、思考実験してみました。制限はありません。自作中古なんでもありのやり方です。

1.フロントエンド

 Raspberry Pi 3 + I2S DACで決まり。NASが無くても問題ありません。Volumio 2ならば、USBメモリも自動認識しますので、USBメモリにファイル入れて始めればいいのです。今なら256GBのUSBメモリも1万円しません。

2. アンプ

悩みます。悩んだ末に、LM3886を使用した中華アンプになりました。LM3886とはパワーICの型番で、かつてこれを使ったハイエンドアンプもあったくらいに音が良いことで定評のある石です。ヤフオクで「LM3886」で検索すれば、これを使ったアンプが幾つか出てきます。Guanzoのアンプを持っていますが、素直な音です。力感などは多少物足りませんが、16800円のアンプにそこまで注文してはいけません。

3. スピーカー

スピーカーは自作、と思ってしまいますが、残った予算は15000円ほどとなると、フルレンジユニットを買っただけで予算は尽きてしまいます。ここはむしろ、中古を狙いましょう。またしても、ネットオークションです。
わたしのお勧めは、Victor SX-500 Spiritです。Aucfanで検索すると平均落札価格は15800円ほどとなっています。最低域はさすがに望めませんが、それ以外はオール4という感じの音です。しかし、音楽はとても魅力的に鳴らしてくれるので、飽きが来ないスピーカーと言えるかと思います。スピーカースタンド込みのものを求めた方がまずは楽です。

 

これで、大体5万円で収まりますが、問題はセッティングです。くれぐれも家具の間にスピーカーを押し込むようなセッティングは避けてください。できれば、壁一面くらいはオーディオのために空けて、前後左右になるべくものを置かないようにし壁から離してセッティングすると、開けた空間に音楽が鳴り始めます。

ここから始めるオーディオ生活は、ステップアップしていくにしても、変な回り道はしなくて済むことでしょう。そのくらいには真っ当な音で鳴ってくれます。

LT1115を使用したフォノイコライザーの製作

最近は、Raspberry Piによるネットワークオーディオの記事が多かったのですが、検索語句で根強く生きているのは「フォノイコライザーの自作」です。それなのに、このブログには、具体的な製作記事が一つもなかったので、LT1115(オペアンプ)+LT1010(バッファーアンプ)によるフォノイコライザーの製作記を書いてみます。なお、このイコライザーは現在もサブシステムで元気に稼働中です。

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上図は、LT1115のデータシートの最初のページに載っているフォノイコライザーの回路図と、その計算値と実測値のRIAA偏差を表したグラフです。RIAA偏差は実測でも±0.2dBと良好な性能を示しています。

回路は、NF型でLT1010からLT1115の帰還部分でイコライジングしています。また、データシートの回路図には珍しく、電源に入れるパスコンも省略せずに書かれているおり8pin DIPパッケージでのピン指定まで書かれていますので、この回路図の通りにそのまま作れば、電源部以外はフォノイコライザーができてしまい、初心者でも手の出しやすい回路となっています。ここでちょっと面倒なLT1115の後ろについている定電流回路ですが、これは2mAの定電流ダイオード(E-202)で代用します。

電源は006P乾電池を2本用意して±9Vの電源をでっち上げてしまえば、実はかなり良質な音で楽しむことができます。また、オペアンプ専用電源回路キットとしてOTOMATSUから出ている安定化電源キットが割合安価で優秀です。これを別筐体に収めて、1mくらいのケーブルで回路部分と接続すれば、電源からのノイズに悩まされることもありません。

音は、かかったコストの低さからは信じられない音が出てきます。LT1115+LT1010の組み合わせは優秀だなと改めて思い知らされる音です。色気があって情報量も多いので、聴いていて楽しくなります。自作フォノアンプを作りたいのだけど、という人はまずこれを作ってみることをお勧めします。

Thinkpad X201sの再生-画面解像度と眼精疲労との戦い

さて、前回も少し書いたThinkpad X201sの再生話です。

まず、手に入れた理由を書いておきましょう。

Windows7 用にパソコンが欲しかったというのが最大の理由ですが、X201sにした事には他にも理由があります。

まず、キーボード。ペコペコのアイソレートキーボードになる前のIBM以来の7列キーボードであること。これは、文章などを打つのに重要でした。私はどうもアイソレートキーボードが苦手で、最近のノートPCはこればかりになったので、どうも物欲が沸きません。昔ながらの7列キーボードでかつ、邪魔なトラックパッドがない機種となると、これが最後になってしまいます。キーボードに関しては私のようにアイソレートキーボードが苦手な人もそれなりにいると思いますので、メーカーは薄型化ばかり競うのでなく、キーボードも重視したモデルも出して欲しいものです。

それから、ディスプレイ。WXGA+という解像度のものとなるとX201sとX200sの一部しかありません。最近目の衰えが自覚されるようになり、FHD(1920x1080)は14インチのものが精一杯、12.5インチでは、眼精疲労が激しくとても使えないという事が予想されます。しかし、WXGA(1280x800)やHD(1366x768)では画面が狭く使っていてとても窮屈です。そこで12.5インチにはWXGA+(1440x900)のものが使っていて一番快適なのですが、既に述べたようにこんな解像度の液晶はThinkpadでは、X200sの一部とX201sしかありません。1440x900という解像度はMacではおなじみの解像度(こちらはRetina液晶)ですが、個人的には、12.5インチ液晶にはこのくらいが丁度良い感じなのです。

そして、X201sは初代でも取りあえずはCore i7。低電圧版でクロックも2.0GHzのLM620ですが、腐ってもCore i7、そこそこの処理能力は期待できます。

と、このような理由でThinkpad X201sを選択したわけですが、これ以前にThinkpadの大きな特徴として、自分で整備するための詳細な保守マニュアルと大量のデバイスドライバーがサイトにある事があります。これは他のThinkpadでも同様なので、中古で買うならば、Thinkpadを選択する大きな理由となります。

こうして、OS無しのThinkpad X201sがネットオークションで安く出ていたので、手に入れて整備に取り掛かったのです。しかし、そこには紆余曲折がありました。

OSはライセンスが余っていたWindows7の出た時のディスクからインストールしました。インストール自体は簡単に済みましたが、ここで熱問題が生じました。なにしろ、熱くなったまま冷えません。ブラウザを数タブ開いているだけなのに、熱くなったまま冷えません。ネットで調べてみると、CPUファンユニットのグリスが固化して熱拡散がうまくいかなくなっていた例が出ています。確かに5年以上経っているノートPCではそういう事もあるのだろうと、分解掃除を始めました。さすがに埃はファン以外にはついていませんでしたが、グリスは見事に固化していました。これを拭い取り、新しいグリスを塗り付けて組立です。ついでに、ファンの埃もきれいに取り去りました。これで、排気風がタバコ臭いのはほとんど解消しました。

しかし、それでも熱くなったままです。改めてタスクマネージャーを開いてCPU負荷を見てみると、50-100%の辺りで行ったり来たりしています。何が原因かなぁ、と考えてみるとやはりMS謹製ウィルスソフトと言うべきWindows updateが怪しい、となります。しかし、いくら待ってもupdateは終わる気配を見せずX201sは熱いままです。どうやらupdateの袋小路に入ってしまったようです。

こうなると、強制的にWindows updateを行うしかありません。ここでは、WSUS Offline Updateというソフトを使って強制的にupdateを済ませました。このソフトはupdateファイルをまとめてダウンロードしてからオフラインで一気にWindows updateをかけるというもので、Windows updateで不具合が出たら、これを根本的に解決してしまうソフトです。ただ、どうやらWindows updateの方針がまた変わったようで、このソフトもどうなるのかわかりませんからリンクは張りません。

これで、ようやくブラウザを開いているときの負荷が一桁%台にまで落ち、熱風も吐き出さなくなりました。しかし、更にトラブルは続きます。メモリの不具合です。

メモリの不具合は当初より起こっていました。ただ、熱が凄かったので、それによる誤動作でもしているのか、発熱が収まればメモリの不具合も起きなくなるだろうと思っていました。しかし、熱問題が解決した後でも、それは残ったのです。ちなみに、momtest86は、CPU負荷によるCPU温度上昇で、途中でダウンしています。これは、メモリを変えてもそうでした。そんなわけで、2枚のうちどちらのメモリがおかしいかわからないながら、当初からついてきた1枚の方が怪しそうだなと目星をつけて、それを手持ちの2GBメモリに替えて6GBで運用してみました。すると、ようやくメモリ不具合によるブルースクリーンも出なくなりました。現在は、ネットオークションで中古で手に入れた4GBx2のElpidaメモリモジュールを使って8GBにしています。ちなみに、この世代のCore i シリーズは、2Gbit chipのメモリでないと認識してくれないと欠点があったりします。

こうして、漸く安定した環境となりましたが、WIndows7は重くてメモリ喰いです。SSHDですので、SSDに換装したこれのひとつ前のThinkpad X200s(WXGA+ディスプレイ)とは正確な比較にはなりませんが、Windows10と比較するとメモリ喰いで発熱もまだ多いです。WIndows7でPCを動かしているとメモリが16GB欲しくなります。10は軽く作られているのがわかるというものです。

こうして、レガシーデバイス用に用意したThinkpad X201sですが、まずやっていることは、USB-シリアル変換ケーブルを使っての懐かしのスマートウォッチ、Chronobitの復活です。なにをやっているんだろう…という感じですがw、こういうものが好きなので仕方ありません。

小ネタ諸々

しばらく放置してしまっている間に、色々とありました。そうした諸々について少し。

・ずっと不安定なβバージョンのままだったVolumio2が、10月13日にようやくstableバージョンが発表されました。それでも当初は、Hifiberry-DIGIを認識しなかったのですが、Ver.2.001に翌々日バージョンアップして認識するようになりました。音は良くなったと思います。

・色々と箱物CDが出ました。これは、そのうちまとめてやりましょう。

・レガシーデバイス用にWindows7搭載のPCが欲しいと思い、Thinkpad X201sのOS無しを15k円ほどでネットオークションで手に入れました。6年くらい前の中古PCなのですが、分解掃除してメモリを8GB化して1TB+16GB SSHDの構成にすると、ゲームと重い画像処理をやらなければ、そこそこ快適に動きます。分解掃除やメモリ増量の注意点など書きたいことはあるのですが、いずれ気が向いたら。6年前でも初代Core i7WXGA+(1440x900)の画面と打ちやすいキーボード、そして1.3kgほどの重さですので、モバイルPCとしてなら今でも立派に使えます。ネットオークションには、新品のキーボードとバッテリーは出品されているので、それを買って交換すれば新品時以上に快適に使うこともできます。なにしろ500GBほどのSSDも今なら13k円ほどなので、それに換えれば大分快適とさえいえる使い勝手になるはずです。今は手持ちにあったSSHDを使っていますが、そのうちSSDに換装しようと考えています。

 

もう、1,2あるかなと思いますが、長くなるのでこの辺で。

音楽と反体制と、政治的自由

ショスタコーヴィチなら、ハビ・ヤールも森の歌も平気で聴いているので、わたしは実は政治性なんて関係なく音楽を聴いているかもしれない。
しかし、反体制が、音楽業界と言う狭い枠で体制になり、それを嫌悪した大衆が檻で囲って敬して遠ざけた事がある。これ、クラシックの前衛音楽の話だけど、他にも当てはまりそう。例えば、ロックという枠の中では、政治的反体制が体制になっているように見受けられる。反体制でなければロックでない、なんて言説を見ると。
政治性から自由というのは、反体制であることではなく、体制側も反体制側も両方取り込んでしまうことなんだけど、難しいだろうな。

1960年代に若者の音楽として出発した経緯からすると、ロックで現状に対する不満が大勢になるのは仕方がない。ただ、誕生から50年してもそれしかないのなら、進歩がないと非難されても仕方ないだろう。ロックは政治的反体制こそスタンダードであるから政治的自由なんてない、と認めてしまえばお互い楽なんだろうけどね。