とのじの迷宮

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オペアンプを使ったフォノ・イコライザーの自作

 さて、M44Gをきちんと鳴らそうとするならば、450pFの負荷容量をもつフォノ・イコライザーアンプが必要となります。とは言え、フォノケーブルの容量が大体100-200pF程度あると言うことですから、フォノ・イコライザーには300pF程度のコンデンサーをパラれば良いと言うことになります。

 実は、1970年代のCD登場以前の古いアンプには負荷容量を変更できるものもあったのですが、今ではそうしたものは手に入り辛くなっています。何よりも、30年以上前のアンプでは経年劣化しているでしょうから、どちらにせよ、メンテナンス無しでは使えません。また、現在でも負荷容量を変更できるフォノ・イコライザーはありますが、高価なものばかりで手が出ません。

 そこで、フォノ・イコライザーの自作をすることにしました。技量がないので、オペアンプを使って自作することにします。

 選択したのは、Texas Instrument(TI)のLME49720と言う低ノイズを特徴とするオペアンプです。元々はNational Semiconductor(NS)が開発したものですが、NSがTIに買収されたために、今ではTIのLME49720となっています。ちなみに、データシートには、"High Performance, High Fidelity Audio Operational Amplifier"と、高品質オーディオ用途であることを謳っています。それだけにオーディオ用のアプリケーション回路例も豊富で、フォノ・イコライザーもNF型とCR型の2種類の例が載っています。今回は、NF型の例を参考にして作りました。

 部品は、秋月電子と千石通商でそろえ、ユニバーサル基板上で組みました。他のオペアンプでも試すことができるように、オペアンプはソケットを使って実装しました。

 電源部は手を抜いて、9VP006P乾電池を2個使用して正負電源としました。

 鳴らしたところ、低域はやや軽い感じですが、部品代が1万円かからなかったものとは思えないほど良く鳴ってくれます。少なくともM44Gの美点を良く引き出してくれています。

 これならば、負荷容量のコンデンサを変えて一般的なカートリッジにも適合するようなフォノ・イコライザーを作ってみようかと秘かに考えています。