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とのじの迷宮

オーディオ・音楽、その他趣味について呟いていきます。

Raspberry PiとRaspyFi、そしてPCオーディオ

 Raspberry Piとは、学習用に開発されたワンボードPCです。

 ARM 700MHzのCPUと512MBのメモリを持っていて、Linuxで動かすことが可能です。

詳しくは、wikipediaをご覧ください。

 ARM 700MHzのCPUの実力はさておき、512MBのメモリと言えば、一昔前ならWindows XPを動かすのに十分だったものですから、このRaspberry Piでも、GUILinuxデスクトップ上でオフィスソフトを動かすことだって、遅いながらも、出来てしまいます。

 さて、PCオーディオと言いますと、最近では、WindowsやMACでUSBからデジタル信号を出力してUSB DACに繋げることが広がりつつありますが、そうしたOSは所詮内部はブラックボックスで、手を加えるのにも限界があります。WindowsにはFidelizerと言うソフトが提供されていますが、それとても限界があります。

 その点、ソースコードが全て開示されているLinuxは、限界まで音楽再生以外の無駄な部分を削り、音楽再生に特化したディストリビューションを作ることが可能です。

 そうしたディストリビューションの一つにVoyage MPDがあります。

 Voyage MPDは音楽再生に特化しているので、他に何もできません。その分、マシンも軽いものでいいため、先端的な人たちの間では、組み込み用ボードPCを使って音楽再生することが流行っています。

 また、Ubuntu StudioにMPDをインストールして音楽再生をする人、Vortexboxと言うディストリビューションで試す人など、様々にLinuxによる音楽再生に取り組んでいます。

 そうなると、当然Linuxが動作するRaspberry Piでもそのような動きがでてきても不思議ではありません。しかしRaspberry Piが出てきて半年以上、なかなかそのような動きは現れませんでした。

 そして、昨年の暮れにRaspyFiという音楽再生に特化したディストリビューションがついに発表されました。ただ、その初期バージョンは、WAV fileは再生しない、NASは認識しない、USB出力にはノイズが混じる、勝手に16/44.1にリサンプリングされてしまう、と散々なものでした。国内の先鋭的なVoyage MPD使いの人たちにはここでRaspberry Piを見放してしまった人も多かったようです。自分のところのVoyage MPDマシンは順調に動いているのだから、それも当然だったのでしょう。

 とは、言え最初のβテスト以前とも言えるバージョンで見限るのもちと早いのではないかと私は感じ、その後もRaspyFiの動きを追っていました。

 RaspyFi開発グループは精力的に、rc1, rc2と不具合を修正したバージョンを出してきて、rc2ではそれなりに実用になるものになっていました。

 そして、この5月に彼らはようやく、RaspyFI version 1のβテスト版を発表しました。

 β版とは言え、私の試した限りでは十分安定に動くように感じました。ただし、特定のDDCとの相性があることや、アップデートをしたところ(> apt-get upgrade)、全く動かなくなると言う事態にも遭遇しましたので、やはりまだまだ解決すべき課題は多いようです。

 現在のところ、我が家ではまだまだVoyage MPDを駆逐するまでには至りませんが、この後も改良が加えられれば、いつかは、我が家でRaspyFiがPCオーディオの主役となる日がくるでしょう。そして、それはそれほど遠くない事と感じています。

 まとめとして、Voyage MPDと比較した場合のRaspyFiの利点は2点に集約できると思います。

・ハードウェアが安い事。

・省電力であり、バッテリー動作が簡単にできる事。

 最初の点は、Raspberry Piの国内販売価格は3300円(2013/08/12時点)です、の一言で十分でしょう。第二点については、Raspberry Piの電源端子はmicro USBで消費電流700mAです。つまり、消費電力は3.5Wしかなく、しかもmicro USBなので、スマホなどで使っているモバイルバッテリーで簡単にバッテリー駆動が可能となります。これは電源の重要性をわかっている人ならば、極めて大きなアドバンテージと理解できるでしょう。

 

 最後に。これを見て、Voyage MPDでも、RaspyFiでも使ってPCオーディオをやろうとする人に忠告しておきます。

 これらは、無駄を省き動作を極限まで軽くするために、GUIなんてものは使っていません。全てコマンドベースです。しかも、テキストエディターはviが標準です。そこまで軽くしてあるので、今までLinuxを触ったことがない人には全くお勧めできません。

仮に、Linuxを触ったことがある人でもGUIベースのLinuxしか触ったことが無い人には、やっぱりお勧めできません。

 それでもやりたい人は、ある程度勉強する事を厭わない事です。コマンドは呪文のように最初は感じるかもしれませんが、ある程度なれてきたらGUIよりも使いやすいところもあるものです。決してあきらめないことです。

 

と、長めになってしまいしまたが、簡単にRaspberry Piを中心としたLinux系PCオーディオの現状を俯瞰してみました。