Studer C37の音
今年もインターナショナルオーディオショウ(以下TIAS)に行ってきました。
数多の新製品がありましたが、それら全てを霞ませてしまったのが、ヨシノトレーディングのブースで再生された、Studer C37の音でした。
これは、1インチのテープ幅のテープを扱う(普通は1/4インチ)オーブンリールテープレコーダーです。これで、1インチ2トラック76cm/secという、ほとんど聞いたこともないスペックで音楽を再生したのです。
その音は、ハイレゾなぞは問題にしない、もちろんレコードも及ばない高い水準の音でした。全ての楽器が生の質感を備えていて、しかもピアニシモからフォルテシモまで、全く破綻するところのない見事なもの。しかもノイズリダクションなしなのにアナログ特有のヒスノイズも感じられない。
私は、ベーゼンドルファーのインペリアルの音がこれほどリアルに捉えられている事に仰天しました。他の人は、あるいは重いシンバルで、あるいは質量感のあるバスドラムの音に、とそれぞれ違うところで驚いたのではないかと思います。
そして、それらが単なるサウンドではなく、音楽として鳴っているところがもっとも気に入りました。音だけすごいオーディオには飽きていますからね。
さて、TIASは今日27日までです。今日も鳴らすかわかりませんが、これだけでも聴きに行く価値はあると思います。