とのじの迷宮

オーディオ・音楽、その他趣味について呟いていきます。

いけないオーディオ

 オーディオは基本的に何をやっても結果オーライですが、やってはいけない(あるいは、やったところで悪い結果にしかならない)原則と言うものが存在します。

 例えばスピーカーの逆相接続のような明らかに間違っているものもありますが、そこまで行かなくとも、普通は駄目だろう、というもの。最近とある所で見たシステム構成図が、そうした突っ込みどころの山だったので、何が駄目っぽいものか、例示してみようと思います。

 私がざっと見たところ、以下の点はどうしてもNGでした。

1. バイアンプ接続で、異なるメーカーのアンプを使う。

2. AV用のサプウーファーピュアオーディオに用いる。

3. 安いイコライザーをシステムの要に入れる。

 はい、これらは基本的に駄目です。それぞれ、理由を説明していきましょう。

 1の 理由は、「殆どの場合ゲインが異なる」との簡単な理由です。バイアンプの場合、スピーカーのネットワークを利用して帯域分割をしていますから、個々の帯域のゲインの調整ができません。その結果、当然帯域バランスが狂います。今回の場合、イコライザーで補正してあるので補正前の特性も載せてありましたが、10dB目盛りのわかりづらいグラフでも、高域は低域よりも3-5dBほども低い状態であることが読み取れました。これで聴いてきたのでは、イコライザーで音が良くなったと言う主張も頷けます。元が酷かったわけですから。

 2の理由は、「音作りが違っている」と1よりもやや微妙な理由です。今回の例で使用されているサプウーファーは20年近く前に開発されたもので、私もAV用に使っていましたが、量感重視で質感はあまり良いものではありませんでした。また、音の遅れも気になりました。AV用では、爆発シーンなどで活躍するため、質感よりも量感が求められますが、ピュア用ではなによりも質感が大事となります。最近のサプウーファーは大分改善されて質感も良くなってはいますが、20年近く前のAV用サプウーファーでは、質感は追求できません。

 3の理由は、何と言っても「音が悪い」の一言に尽きます。私もイコライザーは使っているので無闇と否定はしませんが、Real-Sound LabのConeq Apeq2 proを使って、ようやく音の品位の劣化が気にならない程度ですので、1万円台の多機能イコライザーをシステムの要に置く事は、あまり薦められません。この方の場合は、ゲインの異なる2台のアンプでスピーカーをバイアンプ駆動していたわけですから、改善が聴き取れるのはある意味当然ですが、普通の人には推奨し辛いものです。

 

と、書いていきましたが、他にもやってはいけない原則はあります。折に触れて、そうした事も書いていこうかと思います。